Vintage Levi's 557XX
どーも皆様宜しくお願い致します。
PATTERN LABO.イカさんと申します。
古き良きVintageウェアをバラバラにして、考察、妄想する事により今の物づくりをもっと面白い物にするべく邁進中です。
今回は【levi's 557XX】
リーバイスのGジャン。
TYPE3というカテゴリに入るであろう型の登場はなんと3回目。
前にもやったじゃん。と思う事無かれ!
この型は557の中でも初期の方のアイテムで、とてもとても大きな発見がありました。
TYPE3の初期だけにみられるマニアックな仕様やその変化の感慨深い点などについて楽しく書いていきたいと思います。
シルエット
全体のシルエットは後期型と大きな違いは見られず、イメージ通りのTYPE3です。
TYPE3の特徴としては、TYPE1、TYPE2から大きなデザインの変更が成されると共に形もTYPE1ほど野暮ったい感じは無く、TYPE2ほどタイトではなく、バランスのとれたシルエットになります。
最大のポイントフラップ
画像を見れば分かると思いますがフラップの裏が薄い別布が使われています。
これはTYPE1,TYPE2共にずっと見られる仕様ですので過去を見れば何も特筆する事は無いのですが、未来をみるとフラップの裏は別布では無くなり2枚合わせの構造から1枚を二つに折る仕様に変化していきます。
(557もしくは70505の回参照)
以前、フラップが1枚構造だという事に大興奮した僕としては大切なポイントです。
フラップ仮止め
フラップは巻き縫いに挟み込まれているので縫いこまれた中は見えないのですが、もう一つポイントがあります。
それは『仮止め』です。
未来では仮止めが閂止めで行われており、それが表からは見えない隠し閂として存在するというロマン溢れる仕様になっています。
(557後期型↑)
因みにLEEやラングラーは本縫いで仮止めされています。
以前僕はこの仕様について
『リーバイスが王様たる所以はこういった所にもあるよね~』
なんて話たりしちゃっています。
では初期のTYPE3はどうだったのか?
なんと本縫いでした。
もう本当にね、よくぞ変更してくれました!
閂の方が効率よくね?って気がついた当時の方に感謝!
ポケット端の閂が教えてくれる事。
そしてこの画像が仮説を確信に変えてくれます。
ポケット口の端にある閂ですがよく見てみて下さい。
閂の上側の端が巻き縫いに縫いこまれるくらい高い位置に入っているのが分かります。つまりこれは、
『縫製後最後にカンドメ入れたのではなくて、途中工程でカンドメの工程がある』
という事を物語っています。
という事は、、、
先に述べたフラップの仮止めの閂は、
『この工程と同じ流れでフラップ止めるのが効率よくね?』
となった可能性を示唆してます。
というか絶対そうでしょ!これ。
という考察や変化や過渡期がめちゃくちゃ面白いです。
TYPE3をサンプリングして今の物づくりをする際にどんな思考で作るのか大きなポイントの一つになりそう。
アームホールの縫製
アームホールの縫製仕様。
これもね~。
前項のフラップの構造と同じで事が言えます。
TYPE1,2は巻き縫い。
TYPE3の後期はロック始末。
ではTYPE3の初期は?
なんと巻き縫いでした。
これもめちゃくちゃ感慨深い!
ここまで頑なにロックを使う事無く縫製してきたにも関わらず後期型でロックに変わります。
何故でしょうか?
恐らくですが、形状(シルエット)の変化で巻き縫いが難しくなったのだと思います。
【ただの縫製の内容の変化に過ぎない】とも言えるのですが、その縫製仕様の変化から考察出来る事は多くあります。
TYPE1,2,3と形の変化をしてきて縫いずらくなり、縫製仕様が変わる。
それは見方を変えれば縫製仕様よりもシルエットを優先したと考える事も出来ます。
何を想いロックにしたのか?それは当時の人しか決して分からない事ですが、カーブを巻き縫いするという意味を真に捉えて、形との相性を探る。
現在の物づくりにおいても、アームホールを巻き縫いにするのか?ロックにするのか?それは大きなポイントです。
なんとなくロックは嫌。
そんな理由では寂しい気がするのは僕だけでしょうか?
衿
衿のコバステッチがどこで縫い重ねられているのか?
そんなことまで気にして見た事ある人がどれくらいいるのだろう。
100%は無いけど、ビンテージのGジャンは結構同じ位置である事が多い。
地縫いとステッチの流れを見ると紐解けるのかもしれませんね。
裾タブ
タブもフラップと同じくこの時期はアイロン工程で折り込まれています。
実は後期型とは少し作りが違ったりします。
詳しくは70505の回参照です。
内側全体
先にも述べたがロック始末は無い。
巻き縫いは偉大だ。
ピスネーム
というわけで、
今回も楽しかった!!
是非お手持ちのTYPE3を見てみてね。
【levi's 557XX】これにて。