Vintage Levis 70505 Tracker Jacket
どーも皆様宜しくお願い致します。
PATTERN LABO.イカさんと申します。
古き良きVintageウェアをバラバラにして、考察、妄想する事により今の物づくりをもっと面白い物にするべく邁進中です。
今回は
LEVI'S 70505〈4TH-TYPE Gジャン〉です。
リーバイスのGジャンです。
4thタイプって何?そんな風に思う方もいるかもしれません。
3RDタイプでしょ?と思われた方。その通り!!
4THと書きましたが4THと呼ばない人もいます。
分からない人には何のことかさっぱりかもしれないのですが、このGジャンはディティール的には3RDタイプと呼ばれますので3RDと呼ぶ人が殆どだと思います。
3RDと呼ばれるGジャンは557XX or 557 という型名でよばれます。
そしてこの画像のGジャンは型番では70505という型になります。
ややこしくなるので
3RD=557
4TH=70505
と、ここでは書いていきます。
では何が違うのかというと、
まずは製造された時期です。
次は丈の長さが違います。
557よりも70505の方が着丈が長いのが1番の特徴ですね。
細かく言えばまだまだまだ違うのですが詳しくは調べてみてね。
形やディティール
形は506XXの時とは異なり切替線上にダーツ分量が取られていて進化している事がハッキリと分かります。
要は506XXの頃のような昔よりも体に合うように作られたって感じですね。
衿付け止まり
もうね!この画像で伝わると嬉しいのですがこれを見た時、、僕とてつもなく興奮しました!
(その時は557でしたが)
これは衿付け止まりです。
衿全体の形状の感じが506XXと変わっている事。
あとはなにより、、、
衿付け止まりに隠しの閂止めが入っています!
閂止めというのはギザギザした感じの補強縫いです。
なんで見えない所に??
と考察してみると、、
縫製の順番としては見返し部分と前身頃を地縫いして、切込入れて縫代を外に出します。
その後、いくつかの工程を経て衿で身頃を挟んで付ける事になります。
このいくつかの工程というのがポイントで、衿を付けるまでの間にいくつかの工程が入るので、その作業中に縫い端がほつれてこないようにしたかったのだと考えられます。
わざわざ??と思うかもしれませんが構造上、衿付け止まりが解けるとかなり厄介です。なのでその可能性が高いと思っています。
隠し閂止め
これもねー!初めて見つけた時は大興奮しました。
前のヨーク接ぎ部分の隠し閂止めです。
隠しといってもこれは解かなくても裏側からは見えています。
皆さんもお手持ちのビンテージ3RDタイプがあれば是非見てみて下さい。
そしてこれがなんの為のものなのか、、それはね、フラップの仮止めです!!
仮止めが閂止めでされているなんて、、もう、、リーバイスさん!粋ッ!
ってなりますね~。
更に言うと、左右で仮止めの位置が脇側、CF側と異なります。
それは縫製時にミシンに入れていく方向の問題ですがこれはマニアック過ぎるので割愛です。
せっかくなのでもう一歩考察。
【見た目を気にしてステッチではなく閂止めにした】
というのもとってもロマンがあるので素敵なのですが
『果たしてそんな事気にする?』
という目線で考えてみます。
すると見えてくるのは胸のポケット部分にはポケット口用の閂止めが入っています。
その閂止めはフラップが邪魔で入れづらく、ヨーク接ぎより先に入れられています。
そう考えてみると、、、、
【ポケット口の閂止めのついでにフラップを仮止め】
という仮説も成り立ちます。
あくまでも効率の為。という考え方です。
因みに僕はこっちが正解だと思ってます!
マニアックすぎですね、、これくらいにしときます。
ポケット口
ポケット口はロック始末されておらず、切りっぱなしの状態です。
ロックしない事も肯定的に見る事が出来たりする事もビンテージならではですね。
フラップ
こちらは分かりづらいですがフラップです。
これも、僕としては大興奮ポイントです。
このアイテムのフラップの上側というのは、
巻き縫いに入れ込むので見えないのですがいざ解いてみるとワサになっていました。
そんな話なのですが、やっぱりここは『なんで?』という事も考えてみたいです。
フラップを作る工程は大きく分けて2つです。
・周りを地縫いしてひっくり返してからステッチを入れる。
・周りの縫代をアイロンなどで折り込んで2枚重ねてステッチで押さえる。
この2択です。
そしてこのフラップは後者の構造を持っています。
つまり、地縫いして返す工程よりもアイロンで追ってステッチの工程の方が効率が良いと判断したという事が考えられます。
なるほどね。って感じでしょ?
更にポジティブに捉えるとしたら、フラップ同士の合わせ部分に地縫いが無いので地縫いのステッチが微妙に見える。なんて事も起こらず綺麗にすら見えます。
裾のタブ
ここは謎が多いのですが、生地同色系の糸で上下の二つ折りを仮縫いしてから
本体を二つに折ってコバステッチで閉じてあります。
なぜわざわざ?と思うかもしてませんが生地同色のステッチは裏側がチェーンステッチです。ラッパを使って作られていそうな気配、、。
どういう事かと言いますと、
上下に縫代を折りこんだかなり細長いパーツを作成してから、タブに必要な長さにカットして作ったという事ですね。
100%とは言えませんが、これはほぼ100%合ってるでしょ!って思ってます。
というわけで
このタイプの型は沢山あるのでこれくらいにしておきます。
LEVI'S 70505 今回も楽しかった!!
実は70505の前に557を解体したのですがそれが僕がこの作業にハマるきっかけでしたのでこのタイプの型には思い入れが強いです。
長いのに最後までありがとうございました!!
Levis 70505 Tracker Jacket これにて。