今回はBurberrys-70sBalmacaanです。
Burberrysのコートは不朽の名作であり興味津々で取り組みました。
ここに綴る記録はあくまでも個人的な思いであり、ブランドの考えや当時を証明する内容ではありませんのでご理解ください~。

バーバリー 二枚袖コート
裏付きのコートはやっぱりデカい。
2m×2mの帆布を使っても入りきりません。
大きさもさることながら、ノッチの数や芯などデニムには無いポイントが沢山あり面白かったです。


二枚袖

袖パターン
Burberrysのコートは2枚袖よりも1枚袖の方が人気です。
『そりゃ1枚袖の方が今っぽいよね』
そんな風に短絡的に考えていたのですが、今回考えが変わりました。
前袖が結構強めにカーブしています。かなり大まかに言いますが、それにより肩先から腕にかけて体に沿いやすくなります。
体に沿う(肩先に沿う)という事は肩先のポイントがズレると違和感が出ます。オーバーサイズで着る事も多い昨今では扱いづらいですし、VINTAGEを購入する場合でも、自分の体に合う必要性が高くなってしますので難しいですね。
『解体しなくても着れば分かるだろ』と言われるとその通り!


アームホールと袖を繋ぐテープ

テープで中綴じされている事自体は全く珍しい事ではありません。
何にへぇと思ったのかと言いますと、そのテープがどこにも使われていない生地だった事です。
表地や裏地の端切れを使ったり、資材としてのテープを使う事が多いような印象を持っていたので面白いと思いました。

見えない部分ですので見た目に拘る必要はありませんし、その都度作るのではなく、何かのタイミングで長い端切れテープを作っておいて使ってるのかなぁ。


裾の始末と前の見返し

バーバリー前見返し
裏地の付くアイテムには〈キセ〉と呼ばれるゆとりが入っている事が往々にしてあります。このコートにも、もちろん入っています。

そのキセというのは裏地部分に入っているのですが、見返しの部分には入っていないのが普通だと僕は考えていました。
でもこの画像を見てください!
見返しにもキセがっ!!
知っていた方やこういった商品に多くかかわるようなモノづくりをされている方には当たり前かもしれません。
(実際に結構よくあることだよとDM頂きました)

それでも僕にとっては新しい発見で、『当たり前』という思い込みに捉われていたなぁと感じました。
そしてこの仕様が僕はとても好きです。
なぜなら、効率と質のバランスが良いと感じるからです。
もちろん生地次第では良くない仕様にもなるんですけどね。
服って色んな要素の混ざり合いで本当に面白いです。


裾の部分芯

Coat 裾芯
身頃の裾や袖口には部分的に接着芯が貼ってあります。
その接着芯がきちんと縫い代を避けるように貼られていました。
僕が主に関わるデニムなどの界隈では部分芯を貼らない選択をする事もかなり多いのでこれもまた当たり前に関する知識は薄いですが、凄いなぁと感じました。


比翼の止め部分

比翼
ボタンホールとボタンホールの中間点を縫い留めてあります。
比翼のデザインの際には色んなアイテムで見る事が出来ます。
個人的には閂で止めてあるのが好き。


衿吊り


四角い生地を折り込んでループ状に衿に叩きつけているのですが、その折り込む回数が最低限よりも多く折られています。その一回多い折り込みが意図的なのか、単なるミスなのか、それは分かりません。
それでも、衿吊りとしての役割を果たす為に意図して多く折っていると思いたいですね。
全体の作りこみ方を考えても、そうであったら良いなぁ。


インナーポケット


その呼び名で合っているかわかりませんが、コートの箱ポケットからジャケットなど中に着ている服のポケットにアクセスできるように作られています。
箱ポケットの下に両玉パイピングのこのタイプのポケットの中で、この作り方が今のところ一番好きかも。

袖口裏地縫製

 

縫い目がズレている。
という事が言いたい訳ではありません。
何が言いたいのかと言いますと、この縫い目がズレるという事は、袖口側を先に縫製した後で切替線を縫製しているという事が分かります。
なので解くと↓のような状態になりました。



何が当たり前か?という観点では基本的には語らないようにしています。
当たり前には主観が入りますからね。

伸び止めテープ


デニム関連のアイテムに触れる事が多い僕としてはとても新鮮でした。
ビンテージのデニムアイテムに芯や伸び止めが貼ってある事はほとんどありません。というか今の所100%ありません。
現在の物づくりの現場でも、可縫製の為に芯を貼る指示をすることはありますが、パターン上で伸び止めテープの指示をする事は殆どありません。

工場さんの判断でウエストなどの縫い縮みなどが起きやすい箇所は貼ったりすることもあるらしいですけどね~。

というわけで、
今回も楽しかった!!
Burberrys-70sBalmacaanこれにて。