FUKUBORI Re Jeansについて
今回はFUKUBORIの製品、デニムパンツ2作目について書いていきます。
シーズン毎に製品を生み出すのではなく、
破壊と考察の元に、編集はするがデザインはしない。
というコンセプトの元に製品を作っていくと決めています。
それに伴って、三度目の選択が実はこのアイテムです。
このパンツの元ネタは2000年頃の製品です。
現行品は絶対に解体しないと決めている僕にとって取り組むか微妙な年代でしたが絶対に面白くなるとの考えもありました。
実際に、作り手の想いを勝手に妄想出来る部分が多くてめちゃくちゃ面白かったです。
でも、物の造りとしては限りなく現行品に近くて、ビンテージとは言いづらいというのも結果として感じてしまいました。
なので、
「この時代をサンプリングするのはこのアイテムが最初で最後」
シルエット
シルエットは捻じれている立体シルエットです。
立体と聞くとなんか穿きずらいのかなという印象を与えてしまうかもしれませんがそんなことは無いんです。
むしろ使いやすいかも。
脇耳
普通の5Pocketジーンズよりも耳を使っている部分が少ないものの、一部に耳が使われています。
これは単に耳付の生地使うなら耳が使えた方がキャッチャーで良いよね~というような安易な事では決してありません。
破壊までして掘り下げた僕は思います。
ビンテージにリスペクトを込めた耳使いであり、加えて、このデザインの奥行が分かる?というリッキー・コフのメッセージというか、ヒントのような物だと。
ダーツに地縫い無し?
後にダーツがあります。
地縫いはありません。
そしてBackヨークがありません。
ヨークについては5PKの生地の取り都合云々の際に書かせてもらいました。
こちら
下の画像は普通の5PKジーンズの裁断時の並べ方の一例です。
ビンテージを意識するということ
生地の使用量を減らす為の切替が無いという事は、生地の取り都合は悪くなりそうだ。つまりやっぱりこれはファッションデザインされた今の物づくりだよね。
初めはそう思いました。
でもそうではありませんでした。
これは試しに裁断を想定して並べてみた画像です。
立体になる事で後身頃の直線距離が短くなります。
それによって生地の中に綺麗に収まるんです。
凄い。これに気が付いた時には本当に感激しました。
ポケット口
ポケットの口に閂を追加しました。
FUKUBORIではデザインはしないと決めています。
それはつまり、だれかの制作した名作が無ければ何も生み出す事は出来ないとも言えます。
このREDというアイテムを作ったことで分かった事があります。
年代もそうなのですが、如何に古くビンテージと呼ばれる物だとしても、気軽になんでもサンプリングしてはいけないと。
覚悟はしているつもりでしたが、本当にしっかりと葛藤して物づくりしていかなければならないと感じます。
そういった意味でも、この年代の自ら行うサンプリングは最初で最後にしたいと思います。