Vintage Levis 70500 Tracker Jacket
またしてもTYPE3?
そんな風に思われるかもしれませんが今回はいつもとは一味違います。
70500という品番ですでにお気づきの方もいるとは思いますが
この品番はヨーロッパで作られたTYPE3型なのです。
(個人的にはTYPE3と呼ぶのは少し抵抗がある)
品質表示はすり減って見えないのですがフランス製です。多分。
原産国が変わって何か変わるのか?
そんな疑問を紐解いていきたいと思います。
Levis 70500 シルエット構造
全体のシルエットが今回は大きく異なります。
身頃と袖の2項目に分けて考えてみます。
まずは身頃。これは以外にもUSA製と比較するとすればTYPE1が一番近いかもしれません。近いといってもあくまもTYPE3なので裾巾が狭すぎないTYPE3と表現した方がイメージしやすいかな?
袖は明らかに美しくあろうと意識したような形状の変化が見れます。
過去のTYPE3の投稿の袖と是非見比べてみてください。
(TYPE3の投稿はこちら)
巾感は分かりづらいかもしれませんが袖山の形状が明らかに異なるのが分かると思います。
どれくらいの裁量でヨーロッパでの生産が成されたのか。
とても気になる所ですね。
とはいえ、品番が違うんだから違って当たりまえなんですけどね。笑
Levis 70500 ブランドタグ
後衿ぐりにネームタグが挟まれています。
これまでには見られない仕様で特徴の一つなので載せてみました。
Levis 70500 フラップ
フラップは1枚を二つに折る仕様。
この仕様が健在なのは嬉しいです。画像ではとても分かりづらいですが
ステッチワークの感じがUSA製は良い意味で粗野な感じがする事が多いのですがなぜか今回はその良さは激減しているように感じます。
年代の関係もあるとは思いますが、なんとも言えない違いがあります。
Levis 70500 隠し閂
フラップを仮止めする隠しカンドメも健在!
良いですね~。カンドメのサイズがやけに小さい感じがして少し違和感はありますが個体差の範囲でもあります。
隠しカンドメ?何それ?
という方は是非過去のTYPE3の投稿を見てみて下さい。
(TYPE3の投稿はこちら)
Levis 70500 裾タブ
裾のタブが長い!
裾のタブが長いです。パッとみて明らかにデザインが変わっている唯一のポイントかもしれません。個人的には『なんでこうなった??』という気持ちですが美的感覚の違い?それとも長い方が使いやすいでしょって事だったのか?
Levis 70500 チェーンステッチ
裾のチェーンステッチは上下先まで。
これは年代により変わる部分なので当然の結果。わざわざ載せる必要もないかなとも思いましたが、ベルト先の仕様にはブランドのアイデンティティが見えたりする部分でもあるので。
Levis 70500 アームホール
アームホールは当然のロック始末。
袖の形状をあそこまで変えておいて巻き縫いは無いだろうから当然の結果かな。
というか、年代的にロックで当然だから選んだ訳では無いのかもね。
Levis 70500 衿付け
衿。
どちらが地縫いか?それはデザイン上の見た目には殆ど影響を及ぼす事は無い。
それでも、作成していく工程の一つとしてどうしようかな?と考えてしかるべき部分でもあるとおもう。
工場さんにお任せ。という選択も工場さんは考えて作るのだからそれもまた良しと思う。
Levis 70500 衿付け止まり
衿付け止まり。
まさかの衿付け止まりにカンドメ。
これもTYPE3後期から見られる仕様です。
この形の衿付けがある服を1枚縫った事がある方であれば衿付け止まりが縫製の途中で解ける面倒さも分かってもらえるはず。
カンドメで止めちゃうこの感じが僕は好きです。
今の物づくりでは決してやらない。
そんな仕様もエモいです。
実はこのGジャンは23年4月に開催した展示『服ヲ掘ル』をきっかけに深堀りしてみる事を決めました。
というのも『これも面白いんじゃないですか?』と雑誌2ndに掲載頂いた事をきっかけに出会ったライターさんが見せてくれました。
見た瞬間に明らかに形が違う事は分かりました。
これは面白い!
年代的にも少しビンテージの枠を出ている感は否めない、、
とはいえ、
仮にもパタンナーである僕としてはヨーロッパ製、しかもTYPE3型となると深掘りせずにはいられませんでした。たまにはこういったイレギュラーも良いかも。
というわけで、
今回も楽しかった!!
【levi's 70500】これにて。