Vintage Levis 606-bigE
今回は606big-Eです。
『VINTAGEリーバイスのパンツの中でスリムタイプと言えば?』
と聞かれて一番に思い浮かべる方も少なくないのではないかと思います。
そしてもう一つ。
スリムタイプというイメージと並んで出てくるのは
オレンジタブというキーワードです。
オレンジタブというのは右後ろのポケットの中心側に挟み込まれたピスネームと呼ばれるタブの色を指します。
Vintage Levis 606-bigE オレンジタブって何?
一般的な色は赤色で赤タブと呼ばれたりします。
軽くだけオレンジタブも説明をしておきます。
オレンジタブというのは、
60~70年代に登場した若者向けのラインで赤タブの廉価版と言われています。
若者向けのラインという表現はともかくとして【廉価版】という表現に対しては
個人的には違和感があります。
縫製仕様に巻き縫いが多く取り入れられていたり、
コインポケットの構造が501とは異なっていたり、
確かに効率化しているように感じることは多々あります。
では違和感の正体は何かといいますと、
「超大量生産の現場以外では廉価版というよりはデザインの範囲内」
そんな風に思います。
リーバイス程の大きなブランドであれば廉価版と言える程に差が出るかもしれませんが僕が普段から関わらせてもらう日本の国内生産の現場においては廉価版と言うには大袈裟かな。と。
まぁ、今となってはどっちでも良いとも思います。
自分の好みのVINTAGEを選ぶのが良いですよね。
生地についてはきちんと理解していないので適当に聞いてもらえたらと思いますが501より生地クオリティの低いと言われる201など200番台の生地程には違いを感じませんでした。
今回は前置きが長くなりましたが本題に入っていこうと思います!
Vintage Levis 606-bigE silhouette
形については今後501との比較としてさらに掘ってみようかと思っているのでサラッといきます。
これは分かっていた事ではありますが、脇線は耳が使えるような状態での直線ではありません。ですが地の目的には角度こそついてはいるものの、ラインとしては極端なカーブな無く結構直線的な印象でもありました。
Vintage Levis 606-bigE 後ポケット
何が言いたい写真なのかと言いますと、
『やっぱねじれてるよね』って事。
左右の形を分けて作った可能性はかなり低いと思いますので反転して重ねてズレるという事は生地のねじれによる所が大きいと思います。
Vintage Levis 606-bigE ファスナー付け
ファスナーを縫いつけるダブルステッチがチェーンステッチでした。
僕は今回初めて知りました。
『すげぇ!』とテンション上げて社内の元工場勤務の縫製士さんに報告したところ、『そうですよ、前職ではそれが普通でした』
と答えが返ってきたので工場さんによっては一般的なのかも。
隠れる部分だから見えないし、縫いこまれるので返し縫いも必要ない。
なるほど。
Vintage Levis 606-bigE 前ポケット口
オレンジタブの特徴の一つだと僕は思っているのですが
ポケット口の始末はスレキと縫い返しでは無く、三つ折り始末です。
効率可の為の仕様である可能性があるので切り込みを入れているとは思っていませんでしたがやはり全く切り込みありませんでした。
(カーブを縫う際に余計なツレ皺を防ぐ為に切り込みを入れる事がある)
Vintage Levis 606-bigE 裾
完全に個人的に面白いと思ったので入れました。
もともとダメージがあり当て布がされていたのですが、このくりぬかれたようなダメージを見て思ったのは
『前の持ち主はアパレル関係者で一部切り取ったかな』
でした。VINTAGEの生地を研究、再現するために一部切り取ってしまう事があります。それを想像しました。職業病ですね。
Vintage Levis 606-bigE 仮縫いの縫製がネイビー
前ポケットの縫製をするにあたり、ポケットがズレないように縫い代部分で仮止めをしています。
これは501も同様なのでそれ自体は新しい発見では無いのですが、
501はオレンジ色の糸で仮止めされている事が殆どです。
(僕が確認した限りでは100%)
ですが606はネイビーでした。
『目立たないように』
と意識したと思えませんが、タイミングの関係かな。
とか思いつつ、ベルト先もネイビーですので何か意図があるかも。
なんて少しロマンを感じます。
Vintage Levis 606-bigE 袋布
ちょっと分かりづらいですがチェーンステッチの表裏が異なります。
つまり、左右別の方向から縫い始めているという事が分かります。
チェーンステッチは解れやすいのでどっちが端にくるか意識したとしたら、流石と感じます。たまたまの可能性も大いにあるけどね。
ここからは資料として画像を。
今回は以上となりますが、
というわけで、
今回も楽しかった!!
LEVI'S 606BIG-E
これにて。