どーも皆様宜しくお願い致します。
PATTERN LABO.イカさんと申します。


古き良きVintageウェアをバラバラにして、考察、妄想する事により今の物づくりをもっと面白い物にするべく邁進中です。

『みんな大好きXX』

とは言えXXと称される501が製造されていたと期間はとても長く、XXの中でも細かく年代訳がされています。

そんな501XX、今回は終盤のモデルで
【紙パッチギャラ無し】
と呼ばれる年代の物になります。
1962年~1966年頃に生産されていたと言われています。

501XX紙パッチギャラ無しとは?
501XX紙パッチギャラ無し

画像は503BXXですが紙パッチギャラ無しです。
それがギャラ入りになると、
「EVERY GARMENT GUARANTEED」
赤の四角を記入した部分に記載されています。

気になる方は
「紙パッチギャラ入り」で検索してみてくださいね。

前回の投稿で、
『501はBIG-Eが好きだ。』
とお話ししましたが、
今回の501XXも好きな年代に入ります。

何故かと言うと、
この時期も、綿糸とスパン糸が入り混じっていたりして製造の過渡期を感じる事が出来るからです!
(詳しくは前回のBIG-Eの投稿を見てね)

bigEとの違い


大きく違うのは、
『隠しリベットがある』
という事と、
生地が違うという事です。

隠しリベットとは後のポケットの上端左右に施される仕様の事で、表から見えない位置に打ち付ける補強用の金属パーツです。

『隠しリベットを嫌いな人いる?』

と思う程に偉大なディテールですよね。
僕もディテールとしては大大好きです。
(着用する場合は要らない派)

生地については
そもそも【XX】というのは最高品質の生地を使っているという事の意味合いで付けられているので、XXとXXでないもので同じ生地では無いと思われます。

501XX紙パッチギャラ無し


袋布スレーキ

501XXスレーキ
『綿糸の影響が、、こんな所までぇぇ!?』
と言うと少し大袈裟ですが、縫い目の色に注目して見ると、
糸の色が移遷している事が分かります。

綿糸がなんか雰囲気良い!
となるのはここらへんも要因なのかもしれませんね。


後ポケット、隠しリベット

501XX紙パッチギャラ無し 後ポケット

隠しリベット
隠しリベットというのは上側の縫い代に切り込みを入れます。
実はこの切り込みが曲者でして、
現在のモノづくりでは

【必ずしもビンテージと同じ位置で切り込まれているとは限らない。】

という事態が発生してます。
切り込みの位置が変わっても何も変わらないのであれば、表からは見えない訳だし別にいいじゃん。
と思うのですが、切り込みの位置が変わる事で強度が変わり、本来のリベットの用途が薄れてしまうのが現実です。
VINTAGEの隠しリベットは本当に考え抜かれた仕様であり、リーバイスのアイデンティティの詰まったデザインだと勝手ながら感じます。

今現在隠しリベットを打つという事はデザインの要素や当時のリーバイスへのリスペクトを込めた意味合いが強いように思いますし、理解した上で取り入れていきたいですね。


糸の番手について

501XX脇線
表からハッキリ見える位置では無いのに
6番手くらいかなぁ?と思われる太い糸が使われています。
その他にも、下前端、小股、クインチ、ベルト付け側など、多くの箇所で太い番手が使われていたりします。

脇の地縫いに関しては強度が出したかったのか、、
下前はなんだろ?工程上の都合かな?

など疑問は尽きないのですが、
ここに限らず、

【全体的な番手の振り分け】
(番手というのは縫い糸の太さ)

これもかなり大きなポイントだと僕は思っていますし、大好きなポイントでもあります。

何故なら、、
生産効率を落とす事なく、強度やデザインまで考慮出来るという大量生産ならではの方式だと思うからです。

簡単に説明すると、
縫製箇所によって糸の色や種類を変えるとなると、
当然ですが、ミシンに設置している糸の設置はやり直しですよね。

ん?本当にそうでしょうか??

実はそうでは無いんです。
正確には必ずしもそうとは限らないんです。
何故なら、

【縫製箇所によってミシンを変える】

というミシン自体を変える事で糸の付け替えを避ける事が出来ます。
これこそ、1枚ずつ作る生産では無く、ミシン1台1工程のような大量生産ならではです。

とか言ってみましたが、100%そうだ!
という事ではありません。
工場の規模やその時の生産枚数など、変数があるので言い切る事は難しいように思います。
言い切ってしまった方が説得力が増し、影響力を付ける事が出来る事は理解しているのですが、知れば知るほど言い切れない世界なんですよね~。

とまぁ、こんな風に思いを馳せる事が面白いですね。

コインポケット

 

501XX紙パッチギャラ無し コインポケット

コインポケットも前回のbigE同様に耳使いは無く、雷皺が入っています。
やっぱり年代が近ければ同じディオールも増えてくる感じがしますね。

隠しリベットの手順


今回も楽しかった!!

LEVI'S 501XX 紙パッチギャラ無し
これにて。