FUKUBORI TAPERED FIVE POCKET
FUKUBORI TAPERED FIVE POCKET
50,380-(tax in)
SIZE 1,2,3展開
Size | 1 | 2 | 3 |
ウエスト | 79..0 | 84.0 | 90.0 |
ワタリ | 30.7 | 32.0 | 33.5 |
股上 | 26.5 | 27.5 | 28.5 |
股下 | 78.0 | 78.0 | 78.0 |
裾幅 | 18.7 | 19.5 | 20.5 |
生地はストレートやGジャンと同じです。
この生地は12オンスのセルビッチ。
タテヨコ共に8番手という太さで且つ、どちらもムラのある糸を使い織られています。
「それはどういう事?」
そんな風に思う方も少なくないと思いますので詳しく書かせてもらいますね。
12オンスの生地というのはタテ糸7番、ヨコ糸10番(数字が低い程太い糸になる)という感じで、タテ糸の方をヨコ糸よりも太い糸を使う事で表面のムラや凹凸を目立たせる事が多いです。
そんな中、この生地はタテヨコ共に8番手という同じ太さの糸を使用しています。それはつまり、どちらかに偏らせた表情にする事無く表裏のバランスが良い生地になります。
それだとキレイな表情になりすぎるのでは?
僕もそう思ったのですが、どちらもムラのある糸を使用しているのでそんな事はありません。
どちらかが主張しすぎず、静かに調和している──
その在り方に、FUKUBORIが大切にしている“過去と今”の交差点のような魅力を感じたのです。、FUKUBORIのデニム製品の生地として選択するに至った一番の理由です。
前明きはファスナー仕様です。
もし、FUKUBORIで選んだ生地が生機と呼ばれる大きく縮む生地だったとしたら、ファスナーを選択する事は難しかったかもしれません。
いや、このシルエットがファスナーであることはFUKUBORIにとっては重要な事なので、テーパードを作れたのは生地の縮みがそこまで大きくなかったおかげと言えそうです。
何をわけのわからない事を、、
そう思いますよね。僕も思います。
このデザインの5ポケットでテーパードであればファスナーです。
実際に当時の物は、生機でもファスナーを使っていたりもするのですが今回サンプリングしたのは生機では無い年代の物です。
大きく縮む生地でファスナーを使うと、ファスナーの滑りが悪くなったり、ファスナーのついている部分が不自然にうねったりします。
それは、ファスナーの金属の部分は縮むことが無いので、生地とファスナーの縮みの差が大きくなる事で起こる不具合です。
気にせずに生機×ファスナーにする製品もありますが、FUKUBORIとして考えた際には難しい選択のように感じています。
というのも、FUKUBORIはレプリカではありません。
ただ忠実に再現するのではなく、「今つくる意味」や「着る人にとっての現実的な着心地」を常に考えて設計しています。
そして、デザインをしないFUKUBORIにとって、ファスナーを釦に変える事はデザインの範囲に入ると解釈します。
よって、生機×ファスナーの製品は基本的には作れないということになります。
同じようで同じでない。
単なるストレートとシルエット違いではありません。
というと少し大げさですが、パッチの付け方やリベットの素材、微細な縫製仕様に違いが存在しています。
そもそもはサンプリングした年代によつて変えているのですが、
世の中にあふれるサンプリングして服を作る文化の中で、こういった少しの違いが作りての思想に触れる一端になる事があります。
確信は持てなくても、
このデザイナーさんはこの年代が好きなのかな?とか
このテーマだからこの年代をサンプリングしたのかも!
など、おしゃれして楽しむ以外の服の楽しみ方が見えてくるような気がしています。
これは手に取ってくれる方への提案というよりは、
痕跡を残すことはサンプリングする上での義務のような気持ちがある事が大きいです。
そしてその中で、マニアックな楽しみ方をしてくれる方がいてくれたら更に本望です。
リベットの素材なども同じです。
銅なのかアルミなのか。
些細な違いが痕跡になると思っています。