Vintage Levis S501XX 大戦モデル
今回は Levi’s S501XXです。
遂にこの時が来てしまいましたが、
実が本当はまだ大戦モデルに手を出すつもりはありませんでした。
無理をしてでも今回取り組む事に決めた理由は、服ヲ掘ル vol.3の展示のテーマを5ポケットジーンズにすると決めたからです。
色んなモデルの5ポケットを展示するとしても、やはり主役は501になるでしょう。
前回の服ヲ掘ルは501を沢山見比べてもらうような形で開催しました。
つまり、501はすでに多くの年代のモデルを前回使用しているのです。
47モデルやBig-Eなどの僕の中で主役に出来そうな物は前回使用済です。
『前回と同じ物を持って行くのか?』
その問いに出す答えはもちろん否。
この展示でデニムシリーズは一息つくつもりなので、気合いを入れて取り組みたい。本気でやる。そうなると選ぶ501は前回よりももっと攻めた物にしたいと考えました。
そんな経緯でこのモデルです。
大分無理はしましたがそれでも、僕が手を出せる大戦モデルはどうしてもダメージ多めの個体です。
なのでいつも以上に参考程度に。という感じではあるのですが楽しんで頂けると幸いです。
第二次世界大戦、それが特別な時代である事は言うまでも無いがその余波は物づくりにも影響を及ぼしたと言われています。
製品の縫製は乱れ、物資の統制でリベットなど資材の制限を余儀なくされた背景がある事で、その時代に作られた501はより特別な物となりました。
Levis s501xx
パターンの形状はかなり直線的ではあるが、人間の体を想像してみて下さい。
直線である部分なんて一つもないですよね。
お尻なんてそれの最たる部分であるにも関わらずパターンは直線的で、可縫製や効率が重視してある事が考えられます。これは大戦モデルに限らず、全ての501に共通する事ですが。
穿き方によってはデメリットもあるがこれこそが『らしさ』の源の一つであり、美しい事が必ずしも正義では無いカッティングの奥深さをと面白さを教えてくれる代表例だと思います。
直線である部分なんて一つもないですよね。
お尻なんてそれの最たる部分であるにも関わらずパターンは直線的で、可縫製や効率が重視してある事が考えられます。これは大戦モデルに限らず、全ての501に共通する事ですが。
穿き方によってはデメリットもあるがこれこそが『らしさ』の源の一つであり、美しい事が必ずしも正義では無いカッティングの奥深さをと面白さを教えてくれる代表例だと思います。
Levis s501xx 脇地縫い
普通にしていたら見えない部分。
でも敢えてめくって確認するのは、そこに重要な要素があると思うからです。
糸の番手(太さ)が太く丈夫な物で縫われていたり、時代が進めばチェーンステッチになっていたり、ブランドが変われば仕様もまた異なったりします。
確固たる拘りによってもたらされた仕様なのかは分からないが、こういった部分にも時代の流れやアイデンティティを感じる事に心くすぐられてしまう。
縫い方が経年変化の具合にも影響するのだから更に奥が深いですよね。
Levis s501xx 縫製
大戦モデルは縫製が良くない。
率直な感想は、『大戦モデル好きじゃない』という感じです。
現在の物づくりに関わる一人の人間としてここまで縫製が乱れている製品を良しとすることは難しいなという感想。
とはいえ、ビンテージに敬意を抱くオタクとしてはこの乱れ自体も当時の状況を想像する事に繋がり、とても感慨深くもあるのも事実です。
実際に見てみるとステッチは均一性を無くし、とにかく急いで縫ったのか?人手不足で縫う能力の無い人が縫ったのか?それとも、心落ち着かせて縫えるような状態に無かったのか?何かしらの要因が作用している事は間違いないと思われます。
熟練工は軍用品の縫製に駆り出されてしまったという説をよく聞くのだが、だからといってここまで乱れるだろうかと考えます。
そうだとするならば能力に見合わない相当な生産量を求められていたのだろうと思うし、戦時中という私には到底想像する事すら出来ない特殊な状態であった事もあるのかもしれない。
率直な感想は、『大戦モデル好きじゃない』という感じです。
現在の物づくりに関わる一人の人間としてここまで縫製が乱れている製品を良しとすることは難しいなという感想。
とはいえ、ビンテージに敬意を抱くオタクとしてはこの乱れ自体も当時の状況を想像する事に繋がり、とても感慨深くもあるのも事実です。
実際に見てみるとステッチは均一性を無くし、とにかく急いで縫ったのか?人手不足で縫う能力の無い人が縫ったのか?それとも、心落ち着かせて縫えるような状態に無かったのか?何かしらの要因が作用している事は間違いないと思われます。
熟練工は軍用品の縫製に駆り出されてしまったという説をよく聞くのだが、だからといってここまで乱れるだろうかと考えます。
そうだとするならば能力に見合わない相当な生産量を求められていたのだろうと思うし、戦時中という私には到底想像する事すら出来ない特殊な状態であった事もあるのかもしれない。
Levis s501xx 裁ち切り
S501XXの大きな特徴の一つとしてロックすらかけられていない裁ち切りの箇所が存在しています。
裁ち切りが許されるという事もこの年代のユニークな部分で、乱れ過ぎた縫製は好きでは無いと前述したが、この部分に関しては面白いと感じています。
小股、持ち出し下端、向う布端などのいくつかの箇所に加えて今回初めて知った部分があります。
それが下前身頃前端で、これまでいくつも見てきた501のすべてが持ち出しと共にロック始末されていました。
この部分はビンテージを追いかける上でマニアックなポイントの一つなのでとても印象的であり、加えて気が付きにくいポイントと言えそうです。
裁ち切りが許されるという事もこの年代のユニークな部分で、乱れ過ぎた縫製は好きでは無いと前述したが、この部分に関しては面白いと感じています。
小股、持ち出し下端、向う布端などのいくつかの箇所に加えて今回初めて知った部分があります。
それが下前身頃前端で、これまでいくつも見てきた501のすべてが持ち出しと共にロック始末されていました。
この部分はビンテージを追いかける上でマニアックなポイントの一つなのでとても印象的であり、加えて気が付きにくいポイントと言えそうです。
Levis s501xx リベット
年代別に見ていくにあたってはリベットの構造や刻印が大きなポイントになります。今回の結果は前4か所のうち3か所が無刻印で1か所は片面刻印でした。
たまたま最初に外した1か所が片面刻印で、刻印が見えないように打ち込まれていたので、物資節減の為に全部逆向きで打ってごまかしたのでは?という妄想もしたが1か所であればたまたまだろうと思います。
なぜリベットと物資節減を結び付けて考えたのかというと、本来はリベットは6か所に取り付けられているがこのモデルは4か所しかないのです。
コインポケットに付くリベットが無い。それこそが物資の削減の一つであり、この時代ならではの仕様であるからこそ、そんな思考を巡らせたくなってしまいますね。
たまたま最初に外した1か所が片面刻印で、刻印が見えないように打ち込まれていたので、物資節減の為に全部逆向きで打ってごまかしたのでは?という妄想もしたが1か所であればたまたまだろうと思います。
なぜリベットと物資節減を結び付けて考えたのかというと、本来はリベットは6か所に取り付けられているがこのモデルは4か所しかないのです。
コインポケットに付くリベットが無い。それこそが物資の削減の一つであり、この時代ならではの仕様であるからこそ、そんな思考を巡らせたくなってしまいますね。
結論として感じる事は、『大戦モデルは特別』という事。
正直なところ、501はこれまでも沢山見てきたし、前回の服ヲ掘ルvol2でも掲載しています。
だからこそ、もう501についてはそんなに書ける事は無いのではないかと心配していました。
でもいざ取り組み始めてみるとすぐにその心配は無用でした。
製品としては、乱れ過ぎていてあまり好きでは無いという気持ちに変わりは無いものの、独特のステッチの形状や時代背景、考察出来る点を多く持ち合わせている事こそ魅力であり多くの人に愛されるモデルである事には合点がいく結果だったと思います。
正直なところ、501はこれまでも沢山見てきたし、前回の服ヲ掘ルvol2でも掲載しています。
だからこそ、もう501についてはそんなに書ける事は無いのではないかと心配していました。
でもいざ取り組み始めてみるとすぐにその心配は無用でした。
製品としては、乱れ過ぎていてあまり好きでは無いという気持ちに変わりは無いものの、独特のステッチの形状や時代背景、考察出来る点を多く持ち合わせている事こそ魅力であり多くの人に愛されるモデルである事には合点がいく結果だったと思います。
そしてそして詳しく聞いてみたい方がもしいらっしゃいましたら、
2024年5月、27,28,29日の三日間
2024年5月、27,28,29日の三日間
『服ヲ掘ル Vol.3』
東京は中目黒にて展示を行う中の一つとしてこのアイテムも持って行きますので是非見に来てもらえたら嬉しいです。
東京は中目黒にて展示を行う中の一つとしてこのアイテムも持って行きますので是非見に来てもらえたら嬉しいです。
というわけで、
今回も楽しかった!!
Levis S501XX t
これにて。
皆さんにお会いできるのを楽しみにしてまーす!