Vintage Levi's 507XX-後期型
「あなたはTYPE1派?
それともTYPE2派?」
リーバイスのGジャンで似て非なる2つのタイプ。
今回は507XX(type2)を見ていきましょう。
それともTYPE2派?」
リーバイスのGジャンで似て非なる2つのタイプ。
今回は507XX(type2)を見ていきましょう。
ポケットが左右についてる。
後の尾錠がなくなってタブになってる。
パッとみて分かる変化以外にも解体を通して確信を得る変化を見つける事が出来ました。これだからやめられない~。
ちなみに僕はTYPE1の方が好き。
釦とピスネーム。
釦の構造が506XXとは明らかに変わっています。
タブの刺繍も両面に変わり、段々と効率化が成されていきます。
興味本位で更に中を見てみるとこんな形状になっていました。
やっぱり本質的に506XXとは変わっている事が分かります。
フラップの裏はここでも別布が使用されています。
厚みを軽減する為かなと思うのですが、この1つのパーツの為だけに表地とは異なる生地を手配して使用していたと考えるとエモいなぁと。
厚みを軽減する為かなと思うのですが、この1つのパーツの為だけに表地とは異なる生地を手配して使用していたと考えるとエモいなぁと。
因みに506XX同様にフラップの付けとポケットの付けが一筆で糸を切らずに縫製されています。
この仕様って、おそらくミシンの糸を切る性能が無くて糸を切るよりも繋げて縫う方が効率が良かったのだろうなって妄想出来るんですが、繋げる事で返し縫いも減るしなんだかエモいのでとっても好きです。
もしこれを今やるとしたら、、、
ポケットの付け位置がズレやすくなるのは許容しないとダメかなって思います。
この仕様って、おそらくミシンの糸を切る性能が無くて糸を切るよりも繋げて縫う方が効率が良かったのだろうなって妄想出来るんですが、繋げる事で返し縫いも減るしなんだかエモいのでとっても好きです。
もしこれを今やるとしたら、、、
ポケットの付け位置がズレやすくなるのは許容しないとダメかなって思います。
前身頃のポケットの底では角に飛ばしたステッチがありません。
具体的な説明はかなり伝えるのが難しいので簡単に説明しますね。
写真に見えている底以外の2か所の角には縫うのを失敗したかのような
三角っぽいものが内側のステッチに出来ています。
これは二本針と呼ばれる2本同時にステッチを入れる事が出来るミシンで縫われている事で出来るのですが(現在ではそうとは限らない)中心底の角にはそれが見られません。
本来であれば出来るはずのものが無い。
つまりこれくらいの角度であれば問題ないと踏んで一気にステッチを入れたと推測出来ます。
今の日本の物づくりでは曖昧なディティールを反映させる事は結構難しい事が多いという事を踏まえるとこれまたなんか良い仕様ですね。
つまりこれくらいの角度であれば問題ないと踏んで一気にステッチを入れたと推測出来ます。
今の日本の物づくりでは曖昧なディティールを反映させる事は結構難しい事が多いという事を踏まえるとこれまたなんか良い仕様ですね。
ポケットのボタンは1枚の部分に打ち込まれています。
補強とかしないんだねと思う人も多いと思いますが
デニムでは案外ある事だったりします。
それに加えて、この胸ポケットってそんなにハードに使わないつもりのデザインだった?とか妄想してしまいます。
デニムでは案外ある事だったりします。
それに加えて、この胸ポケットってそんなにハードに使わないつもりのデザインだった?とか妄想してしまいます。
注目してほしいのは後袖と前袖の切替部分です。
507XXは袖の上側と下側に向けて隙間が出来る形になっています。
506XXについて書いた際には、ここに隙間が無くて生地の用尺の為の
507XXは袖の上側と下側に向けて隙間が出来る形になっています。
506XXについて書いた際には、ここに隙間が無くて生地の用尺の為の
単なる切替だねってお話したのを覚えていますか?
簡単に解説すると、
506XXの袖よりも507XXの袖の方が人の体や動きに対して立体的な構造になっていると言えます。
これって506XXと507XXにおける大きな変化だと僕は思います。
何故この変化が起こったのか?
これについては考え出すときりがなく答えも無いですが
先日事務所にこられたお客様と、
「506XXから展開したのか?それともテーラー系から影響を受ける何かがあったのか?」
なんて答えのない会話を楽しみました。
ひょっとしたら
年代における総合的な服の世界史的な知識があれば解明出来たりするのでしょうかね~。
簡単に解説すると、
506XXの袖よりも507XXの袖の方が人の体や動きに対して立体的な構造になっていると言えます。
これって506XXと507XXにおける大きな変化だと僕は思います。
何故この変化が起こったのか?
これについては考え出すときりがなく答えも無いですが
先日事務所にこられたお客様と、
「506XXから展開したのか?それともテーラー系から影響を受ける何かがあったのか?」
なんて答えのない会話を楽しみました。
ひょっとしたら
年代における総合的な服の世界史的な知識があれば解明出来たりするのでしょうかね~。
アームホールは当然巻き縫いなのですが、
実はここもとっても重要な変化が起こっています。
506XXは袖の山が低く、アームホールのカーブも緩めです。
なので巻き縫いする際にそこまで問題になる事はありません。
(とは言ってもカーブ同士の巻き縫いはとても難しい)
それに対して507XXになるとアームホールと袖巾がかなり小さくなります。
それにより袖山は相対的に高くなり、巻き縫いする難易度が格段に上がります。
パンクなどの失敗が多く出たのでは~?
なので巻き縫いする際にそこまで問題になる事はありません。
(とは言ってもカーブ同士の巻き縫いはとても難しい)
それに対して507XXになるとアームホールと袖巾がかなり小さくなります。
それにより袖山は相対的に高くなり、巻き縫いする難易度が格段に上がります。
パンクなどの失敗が多く出たのでは~?
前端の縫う手順が506XXとは変わっています。
506XXは上下で端の始末が別々に行われていたの対して
507XXでは上下を縫い合わせた後に前端のステッチを入れるように変更されています。
506XXは上下で端の始末が別々に行われていたの対して
507XXでは上下を縫い合わせた後に前端のステッチを入れるように変更されています。
そりゃこっちの方が効率良いもんねって思う反面、506の仕様であればステッチを使い分けたり出来るし、縫い仕様としても奥深いよなって思ったりしたりして。
裾のタブ。506XXでは後中心にバックル付きの尾錠が付いていましたね。
中心に付いたバックルが馬具や車のシートに傷を付ける事があり問題になったとか。(諸説あり)
パタンナー的には507XXのタブの位置の方がシルエットの調整には優れてるよねと思う次第です。
中心に付いたバックルが馬具や車のシートに傷を付ける事があり問題になったとか。(諸説あり)
パタンナー的には507XXのタブの位置の方がシルエットの調整には優れてるよねと思う次第です。
裾ベルトの前端部分。
この部分って意外とBRAND事の拘りが現れる部分だと、僕は考えています。
この部分って意外とBRAND事の拘りが現れる部分だと、僕は考えています。
リーバイスだけで見ていくと、チェーンステッチの使い所が大きなポイントになりますがLEEやラングラーも含めて見てみるともっと面白いです。
リベットと閂止めがどちらも入っていました。
506XXの時に入っていたU地に本縫いで押さえステッチが消えているので
閂止めがその代わりを果たしたのかな?
閂止めがその代わりを果たしたのかな?
そうだとすると、中間工程で閂止め工程が特殊ミシンで行われた可能性が高い気がします。
最後に特殊ミシンの工程が行われる物づくりでは無く、どこ工程でも入れる柔軟性がある生産現場だったのかな?なんて考えてみたり。
今回も僕なりの解釈で作った仕様書を乗せておきます。
あくまでも参考程度に見て下さいね。
今回も楽しかった!!
LEVI'S 507XX-後期
これにて。
LEVI'S 507XX-後期
これにて。